現代の美容医療で注目を集める肝斑治療。しみやくすみと異なるメカニズムを持つ肝斑は、一般的なケアやピーリングだけでは思うように改善しないケースがあります。特に表皮だけでなく真皮にも色素が沈着するタイプの肝斑には、従来のピーリングではアプローチが難しいとされてきました。そこで近年注目を浴びているのが「リバースピール」です。通常のピーリングとは異なる独自成分と浸透方法で、肝斑治療の精度を高めています。今回はリバースピールの特徴や従来との違い、実際の施術プロセスについて詳しく解説します。
肝斑の特性と従来の限界
肝斑はホルモンバランスや紫外線、ストレスなど複数の要因が絡み合って発症するしみの一種です。表皮層だけでなく、場合によっては真皮層奥深くにもメラニンが蓄積しやすく、一般的な表皮角質層向けのピーリングでは効果を得にくいという課題があります。
肝斑とは何か?
肝斑は両頬に左右対称に現れる淡い茶色~グレーの色素斑です。特に30代以降の女性に多く見られ、頬骨のあたりにぼんやりと広がる特徴があります。紫外線の影響のほか、女性ホルモンの変動も深く関与しています。
通常のシミとは異なり、塗る美白剤だけでは改善が難しく、内服やレーザー、ピーリングを組み合わせる必要があります。色素が表皮だけでなく真皮にも達している場合、浅い治療だけでは色ムラが残りやすいのが現状です。
さらに、強い炎症を伴う治療を行うと色素沈着が悪化するリスクがあるため、肝斑治療は繊細なアプローチが求められます。適切な深度を見極めることが重要です。
従来ピーリングのメカニズム
一般的なケミカルピーリングは、グリコール酸やサリチル酸などの酸を用いて表皮角質層を薄く剥離し、ターンオーバーを促進する方法です。古い角質を除去することでくすみを改善し、新しい肌へ生まれ変わらせることが目的です。
表皮のターンオーバーを整えることで美白効果やニキビ改善は見込める一方、真皮深層に蓄積したメラニンまでは届かず、表層的な処置にとどまるケースが多いです。肌表面のリフレッシュには有効ですが、肝斑の根本治療とはいい難い面があります。
また、皮膚の剥離が伴うため施術後の赤みやヒリつき、かえって色素沈着を起こすリスクがあり、施術者の技術と経験が重要です。
従来ピーリングの課題
肝斑に対して表皮の角質層のみをターゲットにする従来ピーリングでは、真皮深層にあるメラニン除去が難しいため、治療後の満足度が十分に得られないことがあります。
さらに、皮膚剥離を伴うことから炎症後色素沈着(PIH)のリスクが高まり、症状悪化を招くケースも報告されています。肝斑特有のデリケートさに応えるには、よりマイルドかつ深層へのアプローチが求められます。
これらの背景から、皮膚深部にアプローチしながらも表皮剥離を抑える新しい治療法へのニーズが高まっているのです。
リバースピールの概要

リバースピールは、従来のケミカルピーリングとは異なり皮膚深層へ薬剤を浸透させることに特化した施術です。特に真皮層に蓄積したメラニンの分解と排出を目指し、表皮(角質層)から真皮へと働きかけます。PRX-T33のベースに肝斑専用成分を追加したもので、肝斑治療に適した設計となっています。
リバースピールの成分と特徴
リバースピールには、低濃度過酸化水素を含むトリクロロ酢酸(TCA)と、肝斑改善成分が配合されています。TCAが真皮へ浸透する際の刺激をマイルドに抑えつつ、コラーゲン生成を促す点がポイントです。
肝斑向けに追加された美白成分が、メラニン合成を抑制しつつ、真皮から表皮へ向かう色素を効率的に取り除きます。表皮剥離を伴わないため、ダウンタイムが短く、施術後の赤みやヒリつきが少ないのも特徴です。
医師の経験と組み合わせることで、真皮への作用をコントロールしやすく、炎症後色素沈着を避ける工夫がされています。
作用機序の違い
従来ピーリングは表皮だけに作用するのに対し、リバースピールは薬剤が真皮へ浸透してから表皮に向かって色素を排出する逆走的なアプローチをとります。これにより、深層にあるメラニンも効果的に分解されます。
さらにTCAと肝斑用成分の相乗効果で、メラニンを生成するメラノサイトの活性低下を狙い、再発予防にもつなげます。真皮層でコラーゲン生成をサポートすることで、肌全体のハリ感も同時にアップします。
このように、従来型のピーリングに比べて深部まで届きつつ、肌表面のダメージを抑えるバランスの良さがリバースピールの大きな魅力です。
安全性とダウンタイム
リバースピールは皮膚剥離を抑える処方設計のため、施術直後からメイクが可能なケースが多く、日常生活への影響が少ないのが魅力です。痛みや熱感も従来のTCAピーリングに比べて軽減されています。
照射後数時間だけ赤みが出る場合がありますが、翌日にはおさまり、そのまま肌のトーンアップを実感できます。炎症後色素沈着のリスクも抑えられているため、安全性の高い治療として評価されています。
複数回継続することで効果が安定し、周期に合わせて4週間ごとの施術が一般的です。
施術の流れと注意点

リバースピールを受ける際は、まず医師によるカウンセリングで肌状態や肝斑の深度を確認します。過去の施術歴やアレルギー歴も踏まえ、最適なプランを立てることが重要です。
カウンセリングと施術前の準備
カウンセリングでは肌診断器を用いて肝斑の範囲や色味、厚みを可視化します。内服治療や外用薬との併用プランも提案されることがあり、総合的なアプローチを図ります。
施術前はクレンジングで余分な油分やメイクを落とし、肌を清潔に保ちます。施術部位に麻酔クリームを塗布し、痛みに弱い方も安心して受けられるよう配慮されます。
当日は日焼けを避け、肌に赤みや炎症がない状態が望ましいため、直前の激しい運動やサウナは控えます。
リバースピールの施術ステップ
1. 麻酔クリームによる表面麻酔
2. リバースピール薬剤を肌全体または肝斑部位に塗布
3. 専用マッサージで薬剤を均一に浸透
4. 中和・洗浄して薬剤を除去
5. 抗炎症ケアと保湿剤の塗布
施術時間は30分前後で、痛みはチクチクとした感覚程度です。施術中に不快感があれば遠慮なく医師に伝えましょう。
施術後は紫外線対策や保湿ケアを徹底することで、効果を長持ちさせることができます。
アフターケアと継続頻度
リバースピール後はしっかりと保湿し、日焼け止めを毎日使用しましょう。肌のバリア機能が一時的に低下するため、刺激の強い化粧品やピーリング剤は控えます。
施術直後のメイクは可能ですが、摩擦を避けるためスポンジより指で優しく乗せるのがおすすめです。赤みやほてりが気になる場合は鎮静パックでケアします。
4週間に一度の施術を3回前後続けることで、真皮深層の色素沈着が徐々に薄れ、肌全体の透明感とハリ感がアップします。
まとめ
肝斑治療には、従来のピーリングだけでは到達できない真皮深層へのアプローチが求められてきました。リバースピールはそのニーズに応え、TCAベースの薬剤と肝斑用成分を組み合わせることで、表皮から真皮へ逆行的に働きかける独自の手法を実現しています。
表皮剥離を抑えつつ深部に作用するため、ダウンタイムが少なく、日常生活に支障をきたしません。4週間ごとの施術で継続的に行うことで、肝斑の改善とともに肌のハリや透明感も向上します。
繊細な肝斑治療には、医師選びやカウンセリングが重要です。真皮深層に届く治療を検討している方は、ぜひリバースピールの詳細を専門クリニックで確認してみてください。
